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【傷病手当金の受給要件と実務上の留意点】退職後も継続給付を受けるための条件とは!(2026.3.1)

【傷病手当金の受給要件と実務上の留意点】退職後も継続給付を受けるための条件とは!

 

 病気やケガで突然仕事を休まなければならなくなったとき、「生活費はどうなるのだろう?」と不安に思う方は多いでしょう。そのような場面で頼りになるのが「傷病手当金」という制度です。本記事では、傷病手当金の基本的な概念から受給要件・計算方法・申請手続き・受給時の注意点まで徹底的に解説します。制度を正しく理解し、いざというときに慌てることが無いよう、ぜひ最後までお読みください。

 

 

 1章|傷病手当金とは何か

 

 1-1. 傷病手当金の基本定義

 

傷病手当金とは、被保険者が業務外の病気やケガによる療養のために仕事に就くことができず、給与を受けられない場合に支給されます。日本の医療保険制度は「医療給付(現物給付)」と「現金給付」の二本柱で構成されており、傷病手当金は後者の代表的な制度として被保険者を支えてきました。

 

この傷病手当金という制度は、社会の変化に対応しながら改正が重ねられており、直近では20221月に支給期間の算定方法が「暦日計算」から「通算計算」へと大きく変更されました。この改正により、がん治療や精神疾患など、休職と復職を繰り返す患者にとってより実態に即した保障が実現しています。

 

傷病手当金は非課税所得として扱われます。受給しても翌年の所得税や住民税に影響しないよう配慮されています。手取り額で比較すると、通常の勤務時給与の約7割~約8割程度を確保できるため、休業中の家賃・保険料・生活費といった支出を賄う収入源となります。

 

 1-2. 対象となる保険の種類

 

傷病手当金は、すべての健康保険に適用されるわけではありません。主に会社員・公務員が加入する「被用者保険」を対象とした制度であり、具体的には以下の保険が対象となります。

 

- 健康保険(協会けんぽ):中小企業の会社員が主に加入

- 健康保険組合     :大企業の独自保険

- 共済組合       :公務員・私立学校教職員が加入

 

一方、自営業者・フリーランス・農業従事者などが加入する「国民健康保険」には、原則として恒常的な傷病手当金制度が存在しません。新型コロナウイルス感染症への特例対応として一時的に設けられた市区町村もありましたが、通常の傷病には適用されない点に注意が必要です。この格差は被用者の職域保険と国民健康保険等の大きな制度的相違点であり、フリーランス化の進む現代において重要な論点のひとつとなっています。

 

 

 2章|傷病手当金の支給条件(4要件)

 

傷病手当金を受給するには、健康保険法が定める4つの要件をすべて同時に満たしている必要があります。ひとつでも欠けると支給されませんので、それぞれを正確に理解しておきましょう。

 

・要件業務外の病気・ケガによる療養中であること

 

第一の要件は、病気やケガの原因が「業務外」であることです。日常生活での負傷、内科的疾患(風邪・インフルエンザ・がん等)、精神疾患(うつ病・適応障害・統合失調症等)が対象に含まれます。近年はメンタルヘルス不全を原因とする長期休業が増加しており、傷病手当金の受給者に占める精神疾患の割合は年々高まっています。

これとは対照的に、仕事中や通勤中に発生した事故・災害に起因する病気やケガは、労働者災害補償保険(労災保険)の管轄となるため、健康保険の傷病手当金は支給されません。また、美容整形・疲労回復目的の休養・健康診断前の単なる欠勤なども対象外となります。

 

・要件労務不能(仕事ができない状態)であること

 

第二の要件は、病状によって「現在従事すべき業務に就くことができない状態」、すなわち「労務不能」であることです。この判断は主治医(療養担当者)が医学的見地から証明します。労務不能の基準はあくまで「その被保険者が本来従事すべき業務」であり、職種によって判断が異なります。例えば、足の骨折であっても、建設現場作業員なら即座に労務不能とみなされますが、座り仕事が中心のデスクワーカーであれば、ギプス固定での通勤が可能とみなされ認定されないケースもあります。また、入院の有無は問われません。自宅療養中であっても、医師が安静を指示し就労困難と認めれば要件を満たします。

 

・要件連続3日間(待期期間)を含む4日以上の休業

 

第三の要件は、連続して3日間の休業(「待期期間」)を完了したうえで、4日目以降に仕事を休んでいることです。傷病手当金は4日目の休業から支給対象となり、最初の3日間は支給されません。

 

待期期間の3日間には、土曜・日曜・祝日等の公休日や有給休暇を使用した日も含まれます。また、就労中に体調が悪化して早退した日も待期の初日としてカウントされます。しかし、3日間が断続的(出勤を挟む)になると待期は成立しません。

 

なお、一度待期が完成した後は、同一傷病による再度の休業では改めて待期を置く必要はありません。別の傷病や、一定期間の正常勤務(社会的治癒)後の再発については、新たに待期期間が必要となる場合があります。

 

 要件休業期間中に給与の支払いがないこと

 

第四の要件は、休業中に会社から給与が支払われていないことです。傷病手当金は所得喪失を補填する制度であるため、満額の給与が支給されている間は受給できません。ただし、給与の一部のみが支給されている場合(一部の手当のみ継続支給など)は、傷病手当金の日額との差額が支払われます。

 

有給休暇を消化して休む場合は会社から給与が100%支払われるため、その日については傷病手当金は支給されません。有給を先に消化して給与収入を確保するか、傷病手当金の受給を開始するかを慎重に検討する必要があります。

  

 

 3章|支給金額の計算方法

 

 3-1. 計算式の仕組み

 

傷病手当金の1日あたりの支給額は、以下の算定式によって決まります。

【計算式】 支給日額 = 直近12か月の標準報酬月額の平均 ÷ 30 × 2/3

 

ここでのキーポイントは「標準報酬月額」を使用する点です。標準報酬月額とは、基本給に役職手当・通勤手当・残業代などの諸手当を加算した月額報酬を、50段階の等級区分に当てはめて標準化したものです。毎年46月の報酬平均を基に決定(定時決定)され、昇給等で大幅な変動があった場合には随時改定されます。

 

端数処理のルールも定められており、標準報酬月額の平均を30で割った際の1円未満の端数は四捨五入、さらに3分の2を乗じた後の小数点第1位以下も四捨五入します。被保険者期間が12か月に満たない場合は、直近継続期間の平均額と保険者全被保険者の平均標準報酬月額(令和741日以降は32万円)のうち低い方を使用します。

 

 3-2. 標準報酬月額別の支給額目安

 

| 平均標準報酬月額 | 1日あたり支給額 | 1か月相当額  | 給与に対する保障率 |

| 18万円      | 4,000円    | 120,000  | 67%       |

| 24万円      | 5,333円    | 160,000円  | 67%                |

| 30万円      | 6,667円       | 200,000円  | 67%                |

| 36万円      | 8,000      | 240,000円  | 67%                 |

| 45万円      | 10,000      | 300,000円  | 67%                |

 

傷病手当金は非課税所得のため、通常勤務時の給与の約67%に相当する保障を受けられます。休業中も家賃や各種保険料、通信費などの固定費は変わらないため、この水準は生活維持に向けた必要な金額といえます。

 

 

 4章|支給期間とその特例

 

 4-1. 現行の支給期間(通算16か月)

 

傷病手当金の支給期間は、「支給を開始した日から通算して16か月」です。20221月の法改正で導入されたこの「通算」概念は、同制度における近年最大の変更点です。

 

改正前の旧制度では、支給開始日から暦の上で16か月が経過すると、実際に受給した日数に関わらず受給権が消滅していました。そのため、がんの抗がん剤治療など休職と復職を繰り返す患者にとって、「復職すると将来の受給期間が減ってしまう」というジレンマが生じていました。これが治療と仕事の両立を阻む要因のひとつとして指摘されていました。

 

 4-2. 通算化のメリット

 

新制度では、実際に傷病手当金を受給した日数だけが16か月の上限にカウントされます。復職している期間はカウントされないため、最大限の保障期間を無駄なく活用できます。

 

・ がん治療患者:入院・治療中のみカウントされ、外来治療で出勤できた日は期間に算入されない。

・ 精神疾患患者:寛解と再燃を繰り返しても、実受給日数の合計で管理されるため安心して段階的復職が可能。

この改正により、主治医や産業医と相談しながら焦らず段階的な復職を進めることができ、再発リスクを最小化した「治療と仕事の両立」が現実的な選択肢となりました。

 

 4-3. 支給期間終了後の選択肢

 

16か月の支給期間を使い切った後も就労不能が続く場合は、障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)への移行を検討するタイミングです。社会保障制度の役割分担として、比較的短期の所得補填は健康保険(傷病手当金)が、長期にわたる就労能力の喪失は年金制度が担うという体系になっています。年金への移行に際しては、申請に必要な診断書等の準備や、障害等級の認定基準を事前に確認しておくことが重要です。

 

 

 5章|他の給付との併給調整

 

傷病手当金は万能な給付ではなく、他の公的給付との重複受給を防ぐ「併給調整」が設けられています。これは社会保障財政の公平性を保ち、制度の持続可能性を確保するための仕組みです。

 

 5-1. 出産手当金との調整

 

出産のために休業し出産手当金を受給できる期間と、傷病手当金の受給期間が重複する場合は、原則として「出産手当金」が優先されます。ただし、傷病手当金の日額が出産手当金の日額を上回る場合は、その差額が支給されるため、被保険者が不利になる場面はありません。

 

 5-2. 老齢年金との調整

 

退職後の継続給付を受けている期間中に老齢厚生年金・老齢基礎年金を受給し始めた場合、原則として傷病手当金は支給停止となります。これは老後の生活保障である年金が優先されるルールによるものです。年金の日額換算(年金額÷360)が傷病手当金の日額を下回る場合、その差額が支給されます。

 

 5-3. 障害厚生年金・障害手当金との調整

 

同一の傷病を理由として障害厚生年金が支給される場合、傷病手当金は原則として支給停止となります。一方、全く別の傷病で既に障害年金を受けている場合は調整対象外であり、両方を満額受給できる可能性があります。障害手当金(一時金)を受けた場合は、傷病手当金の累計額が障害手当金額に達するまで全額支給停止となります。

 

 5-4. 雇用保険(失業給付)との調整

 

傷病手当金と雇用保険の基本手当(失業保険)は、その受給要件が根本的に相反するため、同時に受給することは不可能です。傷病手当金は「病気で働けない」ことが条件であるのに対し、失業保険は「いつでも働ける状態であること」が条件だからです。

 

退職後に療養を継続する方は、まず傷病手当金を受給し、病状が回復して就職活動が可能になった段階で失業保険に切り替えるのが正しい手順です。ただし、失業保険の受給期限(原則1年)を守るため、退職後早期にハローワークで「受給期間延長」の手続きを行うことが必要です。この手続きを怠ると、失業保険を受給できる権利を失ってしまう恐れがあります。

 

 

 6章|申請方法と支給時期

 

 6-1. 申請の流れ

 

傷病手当金の申請は、医師・事業主・保険者の三者が関与する多段階のプロセスです。

 

| ステップ | 内容                       | 担当者    |

| ①    | 保険者(協会けんぽ・健保組合)から申請書を入手  | 本人     |

| ②    | 主治医に「療養担当者記入欄」への記入・証明を依頼 | 主治医    |

| ③    | 会社に「事業主記入欄」への記入・証明を依頼    | 勤務先担当者 |

| ④    | 本人記入欄(振込先口座・病状経過等)を記入    | 本人     |

| ⑤    | 保険者(協会けんぽ支部等)へ郵送または持参    | 本人     |

 

申請は毎月行うことが一般的です。医師の証明は「実際に診察を行い、症状を確認した期間」のみ記入可能なため、定期的な通院が欠かせません。事後的に「先月も休んでいました」と伝えても、当時の診察記録がなければ証明を得ることが困難となります。申請開始の際は主治医に傷病手当金の申請意向を事前に伝えておくことをお勧めします。

 

 6-2. 添付書類

 

| 状況              | 必要な追加書類               |

| 障害年金・老齢年金を受給中   | 年金証書のコピー、年金額改定通知書のコピー |

| 交通事故など第三者行為の場合  | 第三者行為による傷病届、事故証明書     |

| 被保険者の記号番号が不明な場合 | マイナンバーカードのコピーなど本人確認書類 |

| 被保険者が死亡した場合     | 戸籍謄本(相続人であることを証明する書類) |

 

近年のデジタル化推進により、マイナンバーを活用した情報連携で一部書類(年金額証明書等)が省略できるケースも増えています。申請前に加入保険者のウェブサイトや窓口で最新情報を確認しましょう。

 

また2026年(令和8年)1月から、全国健康保険協会(協会けんぽ)の傷病手当金をはじめとした各種給付申請が電子申請に対応することが決まりました。従来、給付の申請を行う際は、紙の申請書を郵送や窓口で提出する必要がありましたが、今後はパソコンやスマホから協会けんぽの電子申請システムで申請できるようになります。

但し申請出来るのは、被保険者等及び社労士等のみで当初は事業者は申請者としておりませんのでご注意願います。

 

 6-3. 支給されるタイミング

 

傷病手当金は申請後すぐに入金されるものではありません。保険者による審査が行われるため、申請書の受付から振込まで「約2週間〜1か月程度」が目安です。協会けんぽでは書類に不備がない場合、受付から概ね10営業日(土日祝除く約2週間)以内に振り込まれるとされています。

 

ただし、初回申請は待期期間の確認・過去病歴との照合・事業主への照会等が必要なため、2回目以降より時間を要することがあります。支給決定後は「支給決定通知書」が届き、支給対象期間・支給日額・合計支給額・振込予定日が記載されています。大切に保管しておきましょう。

 

 

 7章|退職後も傷病手当金を受給するには

 

「会社を辞めたら健康保険の資格もなくなるのでは?」と思われがちですが、健康保険法(資格喪失後の継続給付)の規定により、一定の要件を満たす場合は退職後も受給を継続できます。

 

 7-1. 継続給付を受けるための4条件

 

< 条件、内容等>

継続1年以上の加入~ 退職日までに、連続して1年以上の被保険者期間があること(空白なければ前職期間の通算可)。

待期期間の完了~ 退職日時点で傷病手当金を受給中か、または少なくとも3日間の待期が完了していること。

退職日当日の労務不能 ~退職日当日も実際に欠勤しており、医師が労務不能と認めていること。

同一傷病の継続~在職中から続く同じ病気・ケガで退職後も就労不能であること。

 

 7-2. 退職時の落とし穴と対策

 

●退職日の出勤は絶対NG

最も多い失敗例が「退職の挨拶や引継ぎのために退職日だけ短時間出勤する」ケースです。たとえ数時間であっても、実際に業務に従事したと判断されると「労務可能」とみなされ、翌日以降の継続給付を受ける権利を永久に失います。退職日は必ず欠勤(有給休暇使用は可)としてください。

 

●一度でも「労務可能」と判断されたら終了

主治医から一度でも「労務可能」と診断されたり、アルバイト等の就労を開始したりすると、その時点で受給権は消滅します。その後病状が再燃しても、退職後継続給付として傷病手当金を復活させることはできません。

 

●保険証の記号番号を控えておく

退職後は自ら保険者へ直接書類を送付します。在職中の被保険者証の記号番号が必要になるため、保険証・資格確認書等を返却する前に必ずコピーを取っておきましょう。

 

●社会保険料と住民税に注意~傷病手当金自体は非課税ですが、退職後は国民健康保険や国民年金への加入が必要となり保険料負担が生じます。住民税は前年所得に課税されるため、収入がなくても納税通知が届きます。支払いが困難な場合は、市区町村の窓口で減免・猶予制度の相談を行いましょう。

 

 

 

 8章|よくある疑問Q&A

 

Q1. 傷病手当金請求書の請求者記入欄にある「発病・負傷年月日」や「発病・負傷原因」はどのように記載すればよいのでしょうか?

A「発病・負傷年月日」は、発病し・負傷したと認識している日を記載ください。「○年○月頃」でも構いません。不明な場合は「不詳」と記載ください。「発病・負傷原因」は、わかる範囲で記入してください。不明な場合は「不詳」と記載ください。

 

Q2.傷病手当金請求書の保険医の意見欄は診断書で代用できますか?

A診断書では代用できません。保険医の意見欄に証明をいただいてください。

 

Q3.本日主治医から3か月先まで労務不能と診断されました。3か月先までの傷病手当金を請求できますか?

A実際に休んだ期間の請求は可能ですが、休む予定を含む期間の請求は受付できません。

 

Q4.労災認定された傷病で会社を休んでいますが、傷病手当金は支給されますか?

A労災認定された傷病については労災で補償されるので、傷病手当金は支給されません。

 

Q5. 精神疾患でも受給できますか?

Aはい、受給できます。うつ病・適応障害・パニック障害・統合失調症など、精神疾患による休業も傷病手当金の対象です。主治医が労務不能と認め、4つの要件を満たせば支給されます。

 

Q6. 自宅療養でも受給できますか?

Aはい、自宅療養中でも受給できます。「入院していること」は支給要件に含まれません。主治医が安静を指示し就労困難と判断すれば受給可能です。

 

Q7. 有給休暇を使い切ってから申請できますか?

Aはい、可能です。ただし有給休暇の取得中は給与が支払われるため、その期間は傷病手当金は支給されません。有給消化後に給与がなくなってから支給が始まります。

 

Q8.会社を長期間休むことになりました。どのようなサイクルで申請するのがよいですか?

A傷病手当金の申請は、給与の支払い有無について事業主の証明が必要になりますので、1ヵ月単位で給与の締切日ごとに申請されることをお勧めします。

 

Q9.会社を休職し傷病手当金を受給していましたが、一旦病気が回復したため復職しました。しかし、病状が思わしくなくまた休職しましたが傷病手当金を受給できますか?

A 復職してから再休職するまでの間、治療が継続しているときは、再休職日から引き続き受給できます。ただし、支給期間は最初の休職日から通算して最大1年6カ月間です。

 

Q10.傷病手当金を受給していますが、病院を転院したために、転院先の病院では転院先でかかった初診日からの証明しかもらえませんでした。証明がもらえなかった期間は傷病手当金を受給できるのでしょうか?

A医師の証明がもらえなかった期間は傷病手当金を受給できません。転院前の病院でその期間での労務不能の証明をもらって下さい。

 

Q11.労務不能のため傷病手当金の申請を行いましたが、報酬や障害年金等との併給調整により、傷病手当金が不支給とされた場合、支給期間は減少しますか?

A報酬、障害年金又は出産手当金等との併給調整により、傷病手当金が不支給とされた 期間については、傷病手当金の支給期間は減少しません。一方、報酬、障害年金又は出産手当金等の額が傷病手当金の支給額を下回るために傷病手当金の一部が支給される場合には、支給期間は減少します。

 

Q12. 傷病手当金の受給中に副業はできますか?

A原則として認められません。副業(就労)を行うと「労務可能」とみなされ受給権を失うリスクがあります。収入を得る活動の可否は、必ず主治医と保険者に確認してください。

 

Q13.傷病手当金を受給していますが、障害厚生年金の受給が決定しました。何か手続きは必要でしょうか?

A障害厚生年金決定通知をご提出ください。なお、既に支払っている傷病手当金と障害厚生年金の支給期間が重なっている場合には返還請求されることになります。

 

Q14. 退職後に新たに傷病手当金を申請できますか?

A原則としてできません。退職後の継続給付は、在職中から受給していた(または待期が完成していた)ことが条件です。退職を考えている場合は、在職中に申請手続きを開始しておくことが重要です。

 

Q15.傷病手当金を受給していますが、もし退職した場合、失業給付を受給しても引き続き傷病手当金を受給できますか。

A失業給付を受給した場合、傷病手当金を受給することはできません。失業給付は、労働の意思・能力があると認められた場合に受けられる給付であり、労務不能を支給要件とする傷病手当金と相反するためです。

 

 

 

 まとめ:傷病手当金を正しく活用するために

 

傷病手当金は、突然の病気やケガで働けなくなったときに、被保険者とその家族の生活を守る重要な公的制度です。

 

・対象:健康保険・共済組合の被保険者(国民健康保険は原則対象外)

4要件:業務外の病気・ケガ労務不能 ③4日以上の休業(連続3日の待期含む)給与の不支給

・支給額:標準報酬月額の日額換算の約2/3

・ 支給期間:支給開始日から通算16か月

・ 他給付との調整:出産手当金・障害年金・老齢年金・失業保険との重複受給は原則不可

・ 退職後も継続可:4条件を満たせば退職後も継続受給が可能(退職日の出勤は厳禁)

 

申請の際は、主治医への事前相談を行い、勤務先の担当者や社会保険労務士、協会けんぽや保険者の相談窓口なども活用してください。病気やケガは誰にでも起こりうるリスクです。傷病手当金の正しい知識を備え、万が一の事態に備えておきましょう。

 

 

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