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新制度【子ども・子育て支援金】はいつから?いくら引く?専門家がいれば「いつもと変わらない」の給与計算(2026.3.9)

新制度【子ども・子育て支援金】はいつから?いくら引く?専門家がいれば「いつもと変わらない」の給与計算

 

 2026年(令和8年)4月から、会社員の給与明細に新たな控除項目が加わります。それが「子ども・子育て支援金」です。少子化対策の財源を社会全体で広く薄く分かち合うことを目的としており、健康保険料に上乗せする形で徴収されます。本稿では、制度の開始時期・使い道・負担額の目安・よくあるご質問について、経営者・総務担当者の皆様に向けてわかりやすく解説します。

 

 

1.子ども・子育て支援金制度について

 

「子ども・子育て支援金制度」は、20246月に成立した「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」に基づき創設されました。政府が掲げる少子化対策「加速化プラン」の財源の一部を、医療保険の仕組みを活用して幅広く国民・企業から集める制度です。

社会全体でこどもや子育て世帯を支えるという「社会連帯の理念」を基盤としており、子育て中の世帯だけでなく、独身者・高齢者を含む全ての世代が少子化対策を共同で支える「分かち合いの仕組み」として設計されています。

 

1)開始時期について

2026年(令和8年)4月から、会社員の給与明細に新たな控除項目が加わります。それが「子ども・子育て支援金」です。徴収は令和8年度(2026年度)から段階的に始まり、令和10年度(2028年度)に本格運用となります。被用者保険(協会けんぽ・健保組合)の場合、給与からの天引きは2026年(令和8年)5月支給分から開始される予定です。

※被用者保険は「翌月徴収」が一般的なため、20264月分の支援金は5月支給の給与から控除されます。賞与に対しても同率が適用されます。

 

2)支援金の使途は

徴収された支援金は、法律により「子ども・子育て世帯向けの給付・サービス」に限定して使われます。既存の医療保険給付や介護給付とは区分して管理されるため、他の目的に流用されることはありません。

 具体的施策については、下記の通りです。

・児童手当の拡充 ~ 所得制限撤廃・高校生年代まで延長・第330,000/

・出生後休業支援給付~育休取得時の給付率を手取り10割相当に引き上げ

・育児時短就業給付~2歳未満育児中の時短勤務者に賃金の10%を支給

・こども誰でも通園制度~就労要件を問わず保育所等を月一定時間利用可能に|

・妊婦支援給付~妊娠届・出産届時に計10万円相当を支給

・自営業者の年金保険料免除~育児期間中の国民年金第1号被保険者の保険料を免除(202610月〜) |

 

中でも「出生後休業支援給付」と「育児時短就業給付」は企業にとっても注目の施策です。男性育休の取得促進や、育児中の従業員の時短勤務を後押しする内容となっており、人材の確保・定着という観点からもプラスの効果が期待されます。

 

 

2.どの程度の負担感か

 

試算によれば、被用者保険加入者1人当たりの月額負担は、制度開始当初(令和8年度)で平均約250円、本格実施時(令和10年度)で平均約450円程度とされています。ただし、実際の負担額は年収によって異なります。

下表は令和8年度(実施時・支援金率0.23%)における年収別の目安です。被用者保険は労使折半のため、事業主も従業員と同額を負担します。

| 年収目安  | 月額(本人分)| 

| 200万円  | 350円   |

| 400万円  | 650円     |

| 600万円   | 1,000    |

| 800万円  | 1,350円   |

| 1,000万円 | 1,650   |

 

※標準報酬月額に支援金率を乗じて算出。賞与分は含まず月給ベースの試算です。

 

 計算例

【ケース①】年収600万円の会社員(令和8年度・支援金率0.23%

・ 標準報酬月額:500,000

・ 本人負担額:500,000 ×0.23% ÷ 2 575円/月

・ 事業主負担:同額 575円/月

・ 合計拠出:1,150円/月(年間約13,800円)

 

【ケース②】年収312万円のパートタイム従業員(社会保険加入・令和8年度)

・ 標準報酬月額:260,000

・ 本人負担額:260,000 ×0.23% ÷ 2 299円/月

・ 事業主負担:同額 299円/月

・ 合計拠出:約598円/月(年間約7,176円)

 

【ケース③】賞与が支給される場合(賞与100万円・令和8年度)

・ 標準賞与額:1,000,000

・ 本人負担額:1,000,000× 0.23% ÷ 2 1,150円(賞与支給時に控除)

・ 事業主負担:同額 1,150

 

※支援金率は令和8年度0.23%・令和9年度約0.31%・令和10年度約0.40%と段階的に引き上げられます。

 

 

3.子ども・子育て支援金制度のQ&A

 

Q1. いつから給与天引きが始まりますか?

A. 被用者保険では20264月分の保険料から上乗せ徴収が始まります。「翌月控除」の場合は20265月支給の給与から控除されます。自社の控除タイミングをご確認ください。

 

Q2. 扶養内で働くパートタイム従業員も対象になりますか?

A. 社会保険(健康保険)に加入している方は対象です。配偶者の健保の扶養に入っている方は直接の控除対象外ですが、扶養元の被保険者の保険料を通じて間接的に制度を支える仕組みです。

 

Q3. 産休・育休中の従業員は支援金も免除されますか?

A. はい。産休・育休中の社会保険料免除の対象であるため、原則として育休期間中は支援金自体も免除されます。ますはご自身が社会保険の保険料免除要件に該当されているか確認願います。

 

Q4. 給与明細にはどのように表示すればよいですか?

A. 健康保険料等と区別して「子ども・子育て支援金」として明示することが推奨されています。従業員からの問い合わせに備え、社内通知やFAQを事前に準備しておくことをお勧めします。

 

Q5. 令和9年度・10年度も率が変わると聞きました。毎年対応が必要ですか?

A. はい。支援金率は3年かけて段階的に引き上げられます(令和8年度0.23%→令和10年度約0.40%)。毎年度3月ごろに公表される改定情報を確認し、給与計算システムの更新を行う運用体制を整えてください。

 

 

4.まとめ

 

「子ども・子育て支援金制度」は、単なる保険料の引き上げではなく、日本の少子化対策を社会全体で分かち合うための2026年(令和8年)4月より始まる新制度です。

すべての医療保険加入者が対象となるため、企業の実務担当者の皆様には、以下の3つの柱を中心とした計画的な対応が求められます。

・システムの整備:給与計算ソフトの改修状況と控除項目の設定確認

・コストの試算:法定福利費(事業主負担分)の段階的な増加を予算化

・従業員への周知:手取り額の変化に対する正確な情報提供

 

特に「給与からの新たな天引き」は、従業員の皆様の関心が高い事項です。不必要な混乱や労使トラブルを防ぐためにも、制度開始前の早い段階で、社内通知やFAQの配布といった丁寧な事前準備をお願いいたします。また顧問社労士がいれば、通常子ども・子育て支援金を含めた社会保険料の案内を作成もらえると思いますので顧問社労士にご依頼ください。

また制度の運用や具体的な計算、社内への説明方法についてご不明な点がございましたら、専門家にご相談ください。

 

                         【投稿者:社会保険労務士 大髙 秀樹】

 

                 

 

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