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【 おやつと労務5】*息抜きに読んでみて下さい(2025.10.24)

💖【算定基礎届あるある】若手総務A子 vs S課長(7月10日、栄光と絶望の物語)💖


聞いてください!マジで聞いてください!今日、7月10日の午後3時55分。私のオフィスのデスクは、もはや戦場の塹壕(ざんごう)と化していました。そして私の人差し指は、マウスの上で生まれたての子鹿みたいにブルブル震えてたんです!

目の前には「算定基礎届 電子申請」の最終確認画面。もう、この画面を見るだけで胃がキリキリする…。

(大丈夫、私!絶対いける!絶対!賃金台帳は、この乾ききった目で3回も見直した!非課税の交通費も、ちゃんと報酬にカウントした!パートのCさんの「17日の壁」、ギリギリ18日だったのも確認した!)

(社長の「A子ちゃん、算定って、あのA5ランクのお肉のことだよね?っていう、もはや異次元レベルの勘違いにも笑顔で押し切った!)


(そして、何より…!)

私の脳裏に蘇るのは、昨日の午後。私が「完璧です!」と提出したチェックリストを、一瞥(いちべつ)したS課長。あの、一見優しそうな、でも絶対に目が笑っていない完璧な笑顔で、「ふーん、A子さん。ここの見落とし、気づいてる?」「えっ」「パートのDさん、4月から時給上げてるけど、社会保険の加入条件、ギリギリ超えてきてないかな?労働契約書、もう一回見てみようか?」

ヒィィィィィ!背筋が凍るって、ああいうことを言うんですね…。あの優しそうな声色で、私の致命的なミスを一瞬で見抜くS課長のあの目!あれはもう鷹、いや、獲物を狙う猛禽類の目ですよ!


でも、それもちゃんと直した!(もう、私に怖いものはない!)

祈るような気持ちで、送信ボタンを…ポチッ!

「…送信完了しました。」

シーン…。オフィスの静寂。聞こえるのは、エアコンの低い唸り音と、私の心臓の音だけ。10秒後。「…………終わった…………」

私、椅子(愛用の、ちょっといいオフィスチェア)の背もたれに、ドサーッて感じで全力で寄りかかりました。もう、抜け殻です。灰です。真っ白な灰。

(私、やった…!この夏の最大の山場を、あのS課長の鷹の目からも逃れて、ついに、乗り越えたんだ…!)

もう、口元がニヤけるのが止められません。(よし…!)私の頭の中は、もう、ご褒美のことでいっぱいです。(今日は絶対!デパ地下のあの行列店『メゾン・ド・なんとか』の、季節限定シャインマTスカットタルト🍰を買って帰る!一番大きいの!)

そうですよ!この解放感!この圧倒的達成感!この瞬間のために、私たちは生きてるー!

…と、私のタルトへの妄想がクライマックスに達し、よだれが出かけた、まさにその時でした。


「A子さん、お疲れ様」

「ヒャッ!?」

背後から聞こえた、あの、一見優しそうな、でも絶対に油断できないシルキーボイス。心臓が口からまろび出そうになりましたよ、マジで。

振り向くと、やっぱり!S課長が、完璧な笑顔で立っていました。なんでこの人、足音しないの!?

「か、か、課長!お疲れ様です!い、今!算定、終わりました…!」私は、ちょっとドヤ顔で報告しました。(ふふん、どうです!私だってやればできるんです!あなたの指摘もクリアしてやりましたよ!)

するとS課長は、「うん、早いね。さすがだ。チェックリストも完璧だったよ」(え、ウソ!?褒められた!?私、S課長に褒められた!?)

「じゃあ、第一段階はクリアだね」

(…………え?)私のドヤ顔が、ピシリと固まりました。

「...え?だいいち、だんかい?」私がオウム返しすると、課長は「そう」と、それはもう美しい笑顔で頷き、

あの完璧な営業スマイルのまま、私のデスクに、そっと、分厚いファイルを置きました。やだ、そのファイル、さっきまで課長のデスクになかったですよね!?いつの間に!?

表紙には、見慣れた明朝体でこう書かれていました。

「9月度社会保険料改定作業(システム更新・従業員通知)スケジュール」

「それじゃ、本当の仕事、始めようか」

(…ほんとうの、しごと?)

「まずは今日の夕方までに、A子さんの方で組んだこの作業のスケジュール案を、僕に提出してくれる?」「スケジュール案は、各部署の繁忙期も考慮して、通知のタイミングとか、ほら、色々あるよね?よろしく」


「ま、まだだったーーーーー!!😱」

私、またデスクに突伏しましたよ。ガクッて。さっきまでの解放感が、まるでウソみたいに、サハラ砂漠のど真ん中に捨てられたみたいに蒸発していきました…。そうだった…。S課長にとって、ラスボスは「送信ボタン」じゃなかったんです…。

本当のラスボスは、この暗号みたいな「給与計算ソフトの設定変更」画面。あの、開発者しかわからないような難解な「保険料テーブル更新」とかいう呪文のページ!そして、さらにその先に待ち構える「10月の給与明細を見た、ベテラン社員のBさん(経理の生き字引)からの『A子ちゃん、なんか手取り減ってない?計算式、ちょっと見せてくれる?』っていう、あの『別に怒ってるわけじゃないんだけどね』っていう前置きから始まる、一番怖い質問攻め」っていう、高難易度コミュニケーション・ダンジョンだったんです…!

「私の夏、まだ、終わってなかったんだ…」


私、さっきまで開いてたシャインマスカットタルトの画像をそっ閉じ(そっと閉じる)して、代わりにS課長が置いていった恐怖のファイル(なんかいい匂いするし)を開きました…。

算定は「出して終わり」じゃない。「正しく適用して初めて完了」する、長い旅なんですね…。がんばれ、私!いつかはS課長を超えてやるぞ…!(でも、タルトだけは、今日3個食べてもバチは当たりませんよね!?)

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