【入門講座・第4話】『社長の時給はいくら?』「月額5、000円~」で面倒とリスクを外注する経営判断(2025.10.3)
<< 社長が本業に専念するための「お守り」としての労務管理>>
本日は第4回、『社長の時給はいくら?】「月額5,000円~」で面倒とリスクを外注する経営判断』をテーマに、主に5人未満の企業様が抱える労務の課題とその解決策をわかりやすく解説します。
【あなた(社長)の時給はいくら?タイムカードのない経営者の「時間価値」】
しかし社長にはタイムカードがありません。
「毎日何時間働いているのか」
「1時間でどれだけの価値を生んでいるのか」
意識している社長は、実は多くありません。
社長様の役員報酬額、労働時間によって時給額は違ってきますが、仮に年収500万円の社長なら、年間労働時間を2,000時間とすれば時給2,500円。年収1,000万円の社長なら、時給5,000円となります。
しかもその1時間は、営業や戦略に振り向ければ「数百万円の売上」を生み出す可能性がある時間でもあります。
【労務手続きに奪われる時間こそ、会社最大の「見えないコスト」】
社長が直接やらなくてもいい事務作業は、毎月のように発生します。
一度やってみれば分かりますが、「これで合っているのか?」「期限に間に合うのか?」
「あとでトラブルにならないか?」と、必要以上に神経をすり減らすものです。
1枚の書類を仕上げるのに2〜3時間かかることも珍しくありません。
もしその2時間で営業をしていたら、新しい取引先を1件獲得できたかもしれません。
【社長が本当にやるべき仕事とは?営業、資金繰り、そして未来の戦略】
・営業を通じて売上を作る
・資金繰りを通じて会社を守る
・戦略を描き未来をつくる
これらは誰も代わることができません。
特に中小企業では、営業を完全に社員任せにするのは難しく、社長自身が最強の営業マンであることが多いのです。
・新規契約は「社長の熱意」で決まることが多い
・既存顧客は「社長の顔出し」で安心する
・金融機関は「社長の言葉」で会社を評価する
実際、1件の契約が会社を救うことも珍しくありません。
社長が自ら動けば、1時間で数十万円〜数百万円の価値を生み出すこともあるのです。
その一方で、社長が事務作業に追われるということは、営業の時間を削る=売上を削ることを意味します。社長がやるべき仕事は「書類作成」ではなく、「契約を取ること」なのです。
【徹底比較】労務手続きのコストはいくら?「自分でやる vs 社員に任せる vs 外注する」
ここで改めて冷静に考えてみましょう。
社長が自分で労務手続きをした場合
 → 2〜3時間かかり、時給換算で5,000円~15,000円の損失
 → 5〜6時間かかった場合、12,500円~30,000円の損失
→ 法改正を調べる時間を含めれば、10時間以上で50,000円前後の時間コストになることもあります
<ケース2>:社員に任せる場合の「隠れたコスト」
仮に社長ではなく、年収400万円の社員に労務手続きを任せた場合のコストを2,000時間で計算すると…
1回の手続きに2〜3時間かかった場合:4,000円~6,000円のコスト
さらに、社員が手続きを行う場合、社長の指示や確認時間も必要です。
この「指示・確認時間」は、社長自身の貴重な時間を消費し、営業や戦略に使えない時間としてカウントされます。
また中小企業で良くある事が担当者の急な退職、休職等です。業務に熟知している担当者が急に現場から居なくなった場合、最終的には社長が業務をカバーしなければならないのです。
<ケース3>:「外注」という経営判断
では、これらの手続きを専門家に単発(スポット)で依頼した場合はどうでしょう?
 事務作業から解放され、重要な意思決定や戦略立案に集中できます。特に営業面に時間を
 かける事が出来る事が最大のメリットになります。
② 正確性の確保
 法律や手続きの変更に対応することで、ミスやトラブルを防げます。
③ 安心感
 万が一トラブルが発生しても、相談できる窓口があることは、社長にとって心強い支えになります。
 また、常時 専門家を利用しておけば、担当者の急な退職等にも遺漏無く対応出来るのも大きなメリ ットとなります。
【月額5,000円~の「保険」:労務トラブルを未然に防ぐ最大のリターン】
・提出遅れで役所から是正指導
・離職票の誤りで退職者とトラブル
・算定基礎届の間違いで過払いが発生
一度のミスで数万~数十万円の損失につながることがあります。
さらに、事務コストと営業コストの損失も見逃せません。社長や社員が数時間の事務に追われるということは、その時間で営業のチャンスを逃すことを意味します。
もしその数時間で新規契約を1件でも取れたなら、数十万~数百万の売上が入っていたかもしれません。
つまり、月額5,000円~の外部サポートは、リスク回避と営業機会損失防止の両面で最大の投資といえます。
【まとめ:社長は「社長にしかできない仕事」に集中しよう】
社長の時給は2,500円~5,000円。
その時間を雑務に使うか、会社の成長に直結する業務に使うかで、会社の未来は大きく変わります。
それは単なるコスト削減ではなく、売上と会社の信頼を守る合理的な経営判断です。
社長は「社長にしかできない仕事」に集中してください。それが、会社を成長させる最短の道です。
【次回予告】
今回は、社長の時給はいくらか?「月額5,000円~」で面倒とリスクを外注する経営判断についてお伝えしました。
いよいよ最終回ですので、ぜひ最後までご覧ください。
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