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【 おやつと労務】*息抜きに読んでみて下さい(2025.8.11)

🔰【私をフリーズさせた「労働保険番号」という言葉】🔰(ある新人総務担当者の話)

総務部に異動になって、気づけばもう2ヶ月。ようやくオフィスの空気にも慣れてきたかな、なんて、ちょっとだけ油断していたんだと思います。その日、社長がいつものにこやかな顔で、私に声をかけました。「Aさん!この書類なんだけど、労働保険番号を書いて労基署に提出してくれるかな」「はい、承知いたしました!」

我ながら完璧な笑顔と返事。でも、頭の中では「…労働保険…番号?」という言葉が、壊れたレコードみたいにぐるぐる回っていました。なんだか心臓がきゅっとして、背中に一本、冷たい線が引かれたような気がしました。自席に戻って、まずは深呼吸。前任者から引き継いだ、年季の入った青いファイルの紐を、恐るおそるほどいてみると…。いました。見たこともない、14桁の数字の羅列が。

13-1-01-XXXXXX-000

目がチカチカする感じ。これを、私が…? 間違えずに

しかも、ファイルの別のページには「法人番号」だの「事業所整理記号」だの、そっくりさんみたいな数字が並んでいて、もうパニックです。でも、ここで「分かりません」って言うのも、なんだか悔しくて。そう、変なプライドですよね(笑)。コーヒーを淹れるふりをして、こっそりスマホで検索したり、一人でウンウン唸りながら、数日間、資料の山と格闘することになったんです。 

そして今日、ついにギブアップ。

受話器を持つ手が少しだけ汗ばんでいるのを感じながら、思い切って管轄労基署の番号を押しました。「あの、総務に着任したばかりでして…」すると、電話の向こうから聞こえてきたのは、想像していた事務的な声とは全く違う、とても落ち着いた、温かい声でした。「ご担当になられたばかりなのですね、大変ですよね」その一言で、張り詰めていた糸がふっと緩むのが分かりました。会社の名前と住所を伝えると折り返しお電話をいただき、本当に、びっくりするくらいあっさりと、私の探していた番号を確認する事ができたのです。電話を切って、ホッと安堵のため息をつくと同時に、なんだか拍子抜けしてしまって。あれだけ悩んだのは、一体…。


<投稿者: 社会保険労務士 大髙 秀樹 >


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