【Q&A】入社手続(2025.8.9)
【Q:入社手続はどのような事に気をつけて行えば良いのか?】
【A:下記を参考に手続等を行って下さい】
入社手続についての業務は、従業員の権利を守ると同時に、会社が法令を遵守し労務リスクを管理する上で極めて重要です。各手続きの意義を深く理解して進めていきましょう。
1. 労働条件の明示と契約締結
最初に行うべきは、入社日までの「労働条件通知書」の交付等の雇用契約の締結です。ここでは賃金の決定・計算・支払方法や支払時期、労働時間、休日といった、法律で書面明示が義務付けられている事項を網羅します。これが労使間の信頼関係の礎となり、将来の認識違いによるトラブルを防ぐ最も有効な手段となります。
2. 必要書類の回収と管理
本人から手続きに必要な書類を提出してもらいます。具体的には①年金手帳(基礎年金番号)、②雇用保険被保険者証、③源泉徴収票(同一年内に前職がある場合)、④扶養控除等申告書です。特にマイナンバーは、社会保険・税の諸手続きで横断的に使用する非常に重要な個人情報です。利用目的を明確に伝えた上で取得し、漏洩などが発生しないよう、定められたルールに則り厳重に管理してください。
3. 社会保険・雇用保険の迅速な手続き
書類が揃ったら、行政への手続きを迅速に進めます。
・社会保険(健康保険・厚生年金):資格取得届を、入社日から5日以内に管轄の年金事務所等へ提出します。
・雇用保険:資格取得届を、入社月の翌月10日までに管轄のハローワークへ提出します。
これらの期限に遅れると、従業員が医療機関で保険証をすぐに使えなかったり、失業時に給付が遅れたりする不利益が生じます。会社の信用問題にも関わるため、期限遵守は絶対です。被扶養家族がいる場合は、その方の手続きすることを忘れないでください。
4. 税金関連・法定帳簿の整備
税金面では、住民税を本人が個別に納付する「普通徴収」から、会社が給与天引きする「特別徴収」へ切り替える手続きを市区町村に行います。最後に、これらの情報を集約して「労働者名簿」「賃金台帳」「出勤簿」の法定三帳簿を整備します。これらは適正な労務管理の根拠となる重要な記録であり、労働基準監督署の調査などにも対応する上で不可欠です。 事例によっては。表記以外の書類が必要になる場合、別の取り扱いが発生する事例もあります。不明な事がありましたら、都度 上席者や先輩等にご確認願います。
<投稿者: 社会保険労務士 大髙 秀樹 >